私から見た日本の居酒屋文化

私から見た日本の居酒屋文化内容摘要：

年は女性にも好まれるようにチ ューハイやワインなど飲み物や料理を豊富にしたり、店内装飾を工夫したお店が多くなり、女性だけのグループや家族連れを含め、誰でも気楽に利用できる場所というイメージが定着しつつある。 特に１９８０年代ごろから居酒屋のチェーン店化が進んだ。 このことで、居酒屋は安く、大人数が集まることができ、少々騒いでもよく、様々な人の好みに合わせて飲み物や料理を選べるというメリットを持つようになった。 このため、学生、会社員、友人などのグループで簡単な宴会を催す際の会場としてよく用いられている。 なお、チェーン店を中心に基本的には低価格 で気楽に飲食できることを売りにしている店が多く、そのため男女に関わらず広い層を顧客としている。 料理としては最近は刺身だけではなく、焼き物、煮物、てんぷら、フライ、エシャレット、トマトと何でも揃っている。 広い層を顧客としているから、しゃべるお話も前より内容幅広くなっている。 3. 居酒屋文化 「親しい仲間と一杯やる時、疲れを発散したい時、彼女と日本酒を飲みたい時 …… そんなときこそ、 “良い酒 ”“良い肴 ”“よい雰囲気 ”の三拍子そろった居酒屋が嬉しい。 」これは日本人の普通のサラリーマンがなぜ居酒屋がよく行く理由と しての答えである。 酒はどう飲めば美しいか 居酒屋で美しい飲み方と美しくない飲み方がある。 どう飲めば美しいか。 ひじはやや外へ開くようにして、胸を張り、下を向かずに身体全体を後ろに倒し、ぐいとやると男らしく立派だ。 ひじを内側にして首を突き出すように飲むのは貧乏くさい。 飲み終わって「プパー」などというのは人物が二流。 まだ残ってないかと盃をぞくのは三流。 居酒屋で飲み方を通じて、身分が自然に現れる。 女性の美しい飲み方はまた別。 ひじは張らなくて、左手で少し隠すようにする。 飲んだ後は軽くため息ついてもらって、 小声で「おいしい …… 」と、その後もちろんご返盃。 居酒屋は日本社会の縮小だとも言える。 日常生活上のいろいろなマナーもここにある、各層の日本人の生き方つまり身分なりの、性別なりのマナーもある。 おじさんたちのデード 居酒屋はおじさんたちのデードのよいところだ。 理由はいろいろあるのだ。 歩いてすぐ近く、カウンター七、八席に机二つ。 親父と娘さんと奥の台所にいる奥さん三人の、小さくきれいなモダンな店は、なんとなく気楽だ。 酒は「神亀」「越後鶴亀」を置き、生ビールがとてもうまい。 小ぶりの上品な焼き鳥と気のきいた肴。 刺身や大きな料理はないが、軽く酒を楽しむには十分だ。 ありがたいのは夜十二時までやっていることだ。 夜型のおじさんたちは夜遅くまで働いているけれど、それでも、十時過ぎあたりにうまい具合に仕事の切りのよくなる時がある。 後は明日やる方が能率的だな。 仕事場で打ち合わせを終えた夜遅く、同僚をビールでも飲みないと誘い、ある居酒屋の常連として、同僚を連れて行く、後は どこかで座ることだけで、黙って注文しなくても、この居酒屋に毎日のように顔を出すと常連ということになるから、どんな酒、どんな肴は決まっているように順番に出してくれる。 時には主人に「ちゃん」づけで声をかけたり、「いつもの」といってみたり、声も態度も大きくて、その親しさだけで、よい雰囲気になるから、気楽なデードのところだ。 そんな雰囲気で、後は同僚との気楽な話だ、子供の話、奥さんの話、会社の上司の話 …… なんでも気楽に出来る。 居酒屋はまたおじさんたちの一人の孤独なデードのよい場所だ。 孤独を楽しむことが出来ることは居 酒屋の効用のひとつ、ぼんやりしていられることだ。 ぼんやりぐらいどこでもできそうに思うけれど、例えば家でぼんやりしていると「ぼんやりしたの。 」と声がかかる。 新聞を読むとか、テレビを見るとか、何かしていないとまわりから見て不安になるのだろう。 家の外でも同じだ。 公園や駅のベンチで何もせず、ぼんやりしていると薄気味悪がられ、警官に「何をしているのですか」と尋問されかねない。 「ぼんやりしています」と答えれば余計危ない。 電車でぼんやりできるが、いつまでもそうしていると知らないところまで行ってしまう。 サウナではぼんやりで きるけれど、ぼんやりするために服を脱がねばならぬのも大変だ。 男一人、ぼんやりできるところもないのか。 そういう時は居酒屋だ。 しかも酒まである。 酒を置き、時折ちびりとやっていればいくらぼんやりしようとも怪しまれない。 貧乏症で何かしていないと落ち着かない人も、「ぼんやりする」をしてみたらどうだろうか。 居酒屋で隅の方に座り、ぼんやり酒を飲む。 今の速い社会で人間、一日一回ぼんやりしなくてはならない。 一日の仕事を終えたときはどこか頭の中に興奮がまだ残っている。 それをそのまま家庭へ持ち帰られては奥さんも大変だろう。 まだ顔は怖いし「あれはどうなっているんだ」と言葉も会社言葉だから。 なぜ居酒屋か 日本では酒を飲むところはいろいろあるのだが、なぜ日本人の酒好きな人はほとんど居酒屋を選ぶのか、ちょっとよく居酒屋に行く日本人の友達にいくつか質問をした。 「酒飲む所にもいろいろあるね、ビヤホールもバーもあり、クラブも …… 」「世の中にはあれほど馬鹿馬鹿しいところはないね」「行った。